2016年とは?
1┃トルコ
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今の段階で、個人的に一番衝撃的であったことは、
昨年11月ロシア空軍機が、トルコ空軍機に撃墜された事件について、
6月末に、トルコがロシアに謝罪したことである。
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□露と関係修復協議毎日新聞
2016年6月30日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160630/ddm/007/030/074000c
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イギリスのEU離脱が決まったことが、
トルコの決断に、どれだけ影響しているのか?
私には正確なところは分からないが、
結果だけを浚ってみると、世界的に大きな出来事が連続して起こったのではないだろうか。
トルコのことはよく知らないのが正直なところだが、
アジアとヨーロッパ大陸にまたがるこの国は、
西洋化を進めるNATOの加盟国であり、EU加盟が長年の目標である、ということぐらいは知っている。
オスマン帝国時代には、広大な領域を支配した世界の大国の一つであり、
また、現在に戻り、基本情報を調べてみると、
人口は世界18位(2012年)・GDPは世界17位(2013年)という大きな国である。
上の事実に個人的経験を加えてみる。
10数年前に私が中央アジアにあるキルギスタンに住んでいたことがある。
ソ連邦崩壊後のその土地では、多くのトルコ人がビジネスを展開していた。
また、トルコのイスラム教団体が、子供たちに無料で教室・食事・休憩・宿泊場所を提供し、
そこでコーランなどの講義を行っている活動に接する機会があり、
トルコという国・世界の影響力を感じたことがあった。
このようなEU加盟を目指していたトルコという大国が、
直前まで険悪な様相を見せていたロシアと手を結ぼうとするということは、
今まで使っていた鉛筆を力任せに折り曲げて、新たに飛び出してきた芯を削って字を書く事にした、
というような急激な変化であり、トルコとロシアのある出来事というよりも、
これから世界全体が大きく変化していくんだ、という前兆のニュースに思えた。
今まで小学生から学んできた西欧中心の歴史。
ソ連邦崩壊から、アメリカが唯一の超大国として存在する今の慣れてきた世界からの変化の道筋が、浮かんできたのか?
これから、どんな光景が、目の前に現れるのか?
よく分からないが、ともかく、これから自分の住む世界が変わるんだ、と感じた。
このような個人的感想を持っていたため、日本国内で、このニュースが、世界の大変化を示す出来事として、
報道されないことが、個人的には、非常に不思議であった。
2┃日本
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アメリカの傘の下、生きることを国策としてきた日本は、
そして、中国、ロシアというアジアの大国との関係を軽んじているようにも見える日本は、
この世界の変動を敏感に感じていないように、個人的には写った。
それは、『生きる』ことへ執着を、まるで見せていない国の姿に思えた。
最近、アメリカとの同盟関係の在り方と、その危険性について考えたことがある。
その内容は次の通りである。
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□安保法案について(2)
⇒ アメリカと一心同体とする政策へのリスクを記述
http://blog.broken-robot.com/?p=2814
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こんな風に、堂々と構えた様相の日本の態度に寒気を感じていたが、
安倍首相がロシアのプーチン大統領を地元に招きたい、という報道があった。
□安倍首相 プーチン露大統領、山口・下関招待に意欲
毎日新聞2016年8月14日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160814/ddm/002/010/063000c
□日露首脳 11、12月再会談 首相、領土交渉強い意欲
毎日新聞2016年9月3日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160903/ddm/001/010/173000c
このニュースを聞いて、
『さすがに今の状況を見て、危機感を覚えて行動を起こしたのか?』
と思ったが、果たして日本政府・官僚の方策と事実は、どこにあるのであろうか?
世の中を動かしているのは官僚と一部の政治家であったとしても、
民主主義の国家で、選挙を考えると急激な変化を起こすのは難しいかも知れない。
いままで、嫌いだったあの国と仲良くしようと言われても、
今までの態度は何であったのか分からないし、今後が不安になるかもしれない。
『あの国は信用できるのか?』 というように。
人の価値観の刷り込みというか、浸透には時間がかかるものであろう。
今まで、寄らば大樹の陰で育ててきた土台を根こそぎ否定するようなアクションは難しいであろう。
また、新たな大樹の下に駆け寄ることも、気持ち的には許されないかもしれない。
安保法案を巡って日本政府の方針を考えてみると、
周りがどうなろうとも、上様について参ります、という忠義心が現れた方策なのか、とも思えた。
世界観や歴史観を転換する必要があるのであれば、
一般的に、今までの歴史的・政治的な駆け引きの経緯を考えてしまうと、
綺麗な解決方法を見出すのは、なかなか難しいことがあるのかもしれない。
これは、政治にかかわらない一般人の甘えた想像であり、
政治家は、そんな甘いことを言わずに決断する人間が揃っているのかもしれないが。
米国の時代の変わった後になって、
『正しかったはずの主君の遺恨を晴らしてやろう』
という態度でしか、自国を正当化できないといった、珍妙な劇の一場面が浮かんできてしまい、
個人的には、この国の行方に不安を感じてしまう。
3┃米国
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ところで、米国大統領選挙が近づている。
ここで、もし、トランプ氏が勝利すると、
『米国中心の世界が終焉を迎えようとしている』
という今の世界の流れに乗る形で、米国自身が自ら変わっていくのかもしれない。
一方、もし、クリントン氏が勝利すると、米国が一大大国の地位や威厳を保つために、
今までのように世界で紛争をサポートする活動を継続し、
ロシア・中国といった米国と並び立とうとする大国と対立する構図が継続される事になるのかもしれない。
そうはいっても、世界の変化が、日本の目の前に表面化する時期が遅れるだけのことではないだろうか。
彼女が大統領になっても、 その分、日本が現実逃避可能な時間が、延長されるだけのことかもしれないように思える。
世の潮流に沿う主流派の一員かもしれないトランプ氏が勝利する事について、
『あり得ない』
という前提の報道が一般的な姿であるように見えるのが、個人的には奇妙に見える。
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以下アメリカ大統領選挙テレビ討論会一部抜粋
□アメリカ大統領選挙2016 第3回テレビ討論会(日本語訳全文)
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/special/2016-presidential-election/debate10.html
【移民のテーマから核兵器の話に展開した時の発言の一部】
クリントン:アメリカ合衆国は平和を維持し…、アメリカ合衆国は、同盟関係を通じて平和を維持してきました。ドナルドはその同盟関係を引き裂こうとしています。それは世界を安全にするものだと思いますし、率直に言って、アメリカ合衆国を安全にします。私はアジア、ヨーロッパ、中東、その他の地域の同盟国と協力します。それが平和を維持する唯一の方法です。
【外国との紛争のテーマでシリアに関する話に展開した時の発言の一部1】
トランプ: 私たちは、反体制派が何者なのかも知りません。私たちは彼らに多額のお金や、あらゆるものをたくさん与えています。私たちは、反体制派が何者なのかも知りません。それは起きないでしょう。なぜなら、ロシアとイランがいるからです。しかし、アサドを追放できたとしても、アサドと同じぐらい悪い人物が現れるかもしれません。彼は悪い男ですが、アサドよりも悪い男が現れる可能性は十分あるのです。
【外国との紛争のテーマでシリアに関する話に展開した時の発言の一部2】
司会者:クリントン長官、あなたは前回の討論会、そして、きょうもまた、アレッポの人々を守るため、そこでの殺戮を止めるために、飛行禁止区域を設定したいと述べています。オバマ大統領は、それを拒否しています。彼は、それによって私たちが紛争に深入りすることを恐れているからです。
ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、飛行禁止区域を設定すれば、シリアやロシアと戦争になる可能性が高いと述べています。そこでお聞きします。飛行禁止区域を設定するとしたら、あなたはまず、それらの懸念にどう答えますか?
2つ目の質問ですが、飛行禁止区域を設定して、ロシアの飛行機がそれに違反したら、あなたは大統領としてその飛行機を撃ち落とすよう命令しますか?
□アメリカ大統領選挙2016 第2回テレビ討論会(日本語訳全文)
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/special/2016-presidential-election/debate6.html
トランプ:何がおかしいか分かりますか? 彼女は1分もオーバーして話していたのに、あなたは彼女を止めなかったのです。私が1秒オーバーすれば、大騒ぎするくせに。
ラダッツ:あなたはたくさん答えていました。
トランプ:これは本当に面白いです。
以上アメリカ大統領選挙テレビ討論会一部抜粋
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以上