主人は店を閉じてフランスへと移住するそうである。
仕事で海外に飛んだ時、少しずつ集めた物。
そんな彼に惹きつけられたのかもしれないが、
知り合いが、国内、海外旅行で仕入れた物。
芸術家が、棚を間借りして置いている物。
一つ一つの小さな物が、彼の枯れぬ熱意の下に、
色々な所、色々な人を離れて、この一角に集まったのであろう。
その部屋は、まるで、世界の海を廻り帰港した宝船のように輝いて見えた。
こんな店が、また、一つ消えていくのかと思うと残念である。
また、来訪して、主人と話をしたいと思った。