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立春大吉

日曜日, 1月 19th, 2014

親戚の人に誘われたという他の力を借りて珍しく食事を愉しむ席、日本料理店を訪れた。

 

事前に会の案内に書かれたいた場所の名前をホームページを調べてみると、

「お懐石」という文字が目に入る。

 

懐石という文字をどのように理解すべきであるのかが正直言うとよく分からなかった。

茶の湯の食事であり、会の主が客をもてなす料理であるというようなことが、

ウェッキペディアには書かれていた。

 

何が何だか分からないが、

兎も角普段味わう、また見ていない食事であることは理解して

東京の中心にある新宿、そしてその中心にある料理屋へと向かった。

 

 

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「立春大吉」

 

僕には、今この瞬間にこの言葉でもてなされ、

またその場を共有する人たちとその場を共に味わうとすることが正に適切であるのかの判断をする知識がなかったが、

料理というのは季節であり人生を表現する美として存在し、またさせてようとしているのだということは理解できた。

 

 

年が明け春が訪れる。

その幕開けとその年の幸福を願うと、次に新たな芽が目の前に運ばれてきた。

 

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僕が正しく理解しているのかどうかは分からないが、

恐らくは料理人はある物語を描いているのであろう事を想像した。

 

食器に描かれた「高山寺」という文字を見て、

親戚が給仕に意味を質問する。

 

「鳥獣戯画」

 

もちろんそれは誰もが知ることということなのだろうか。

 

シンプルに返ってきた回答に、どんな漢字かも分からずに「ああ、そうなんですか」と納得をしたように頷いた。

その場でネットで調べてみると、高山寺とは京都市右京区になる寺院であり、

そこに伝わる国宝の絵巻物が鳥獣人物戯画であるとのことであった。

 

知識の有無は別にして食器に描かれる図柄は生生しく、

また食器に添われる匙の描く曲線は人の目を奪う優雅さを有していた。

 

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食事を終え、以後の再会を約束して新宿駅へと向かう。

 

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今日の会話で、和食が世界遺産に登録されたという話題があり、

目の前に広がる美を誇る話題があった。

 

確かにそこには美しさがあり、また人の籠めた息があった。

 

新宿から乗った電車を降りバス停へと向かう。

以前、何度か座ったこと記憶のある中華料理屋を通る。

開いているのかもう閉じてしまっているのか良く分からなかったが、

あまりじっくりとその事実を確認するのを躊躇うがごとく横目に見ながらその場を過ぎ去った。

 

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